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このページでは家族信託をわかりやすく解説します。



家族信託を一言で

家族信託や、民事信託を一言で言うとこんな感じになります。

【私】のこの財産を、【あなた】に託します。
ですから、【あの人】を頼みます。
家族信託とは イメージ図

家族信託 イメージ図




家族信託や民事信託とは、
財産を自分や家族のために、別の人に管理してもらう契約です。

(※『家族信託』と『民事信託』は、同じ意味です。)


認知症対策に最適!

アパートを子供に信託しておけば、元々のオーナーが認知症になっても、
アパートの管理は子供がします。

ですから、オーナーが認知症になっても、アパートが適切に管理されます。

ですから、「自分も年を取ってきて、アパート管理を子供に任せたい」
といったケースで、信託をすることがとても多いです。

アパートが自分名義だと、自分が認知症や脳卒中などで意思能力がなくなると、賃貸借契約を結ぶときや、修繕工事をするときに支障が出ます。

家族信託をしておけば、賃貸借契約を結ぶことや、修繕工事は財産を管理してもらっている子供などが手続きを行います。

ですから、認知症で管理に支障が出そうな場合にも対処ができるのです。

成年後見の制度を使っても難しいことが簡単に実現できます。


何代先も決められる

例えばアパートを信託すると、家賃を受け取る権利を

 1自分⇒2配偶者⇒3子供⇒4孫

と、何世代にもわたって決めることができます。実質的に、

 1自分⇒2配偶者⇒3子供⇒4孫

と財産が渡るように遺言を書いたのと同じになります。

実際の遺言ではこのような何世代も先を決めることができません。

これが、家族信託なら可能です。

ハンコとお金を分けられる

家族信託について別な見方をしましょう。
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アパートの例で考えると理解しやすいと思います。

あなたはアパートの大家さんとします。
アパートの入居者が決まりました。

賃貸の契約書にハンコを押すのは誰でしょう?

もちろんアパートのオーナーであるあなたです。

アパートが古くなったので修繕を頼みたい。
工事の契約書にハンコを押す人は?

こちらもオーナーのあなた。

アパートを売却します。
売買契約に押印する人は?

もちろんこちらもオーナーのあなたです。

このようにアパートを所有している人は、アパートを管理・処分する権限を持っています。
つまり「ハンコの権限」です。

一方で、アパートの家賃は誰が受け取るでしょうか?

オーナーのあなたです。

アパートを売却したときのお金は?

こちらももちろんオーナーのあなたが受け取ります。

このように、アパートを所有している人は、アパートから生じた利益を受け取る権利を持っています。
つまり「お金の権利」です。

自宅も同じように考えられます。

「住む権利」「お金の権利」といえます。
なぜなら自宅をお持ちならアパートを借りて家賃を払う必要はありません。

ですから、自宅をお持ちの場合、間接的に利益を得ていると言えます。

この「ハンコの権限」「お金の権利」
これは、どのような財産的なものにも当てはまります。

このように、所有者は「ハンコの権限」「お金の権利」を持っていました。
これらは分離できませんでした。

ところが、家族信託をするとこれが変わります

家族信託すると、「ハンコの権限」(管理・処分する権限)と「お金の権利」(利益を得る権利)を分けることができます。

家族信託とは イメージ図

家族信託はハンコの権限とお金の権利を分離できる



例えば、「ハンコの権限」を自分の子供に渡します。

アパートなら、賃貸借契約書は子供がハンコを押します。
アパートの修繕も同じです。
売却するときも子供がハンコを押します。

家族信託しておけば、元々のオーナーが認知症になっても亡くなっても、子供さえ元気なら手続きができます。

一方で、「お金の権利」は自分が指定した人に渡せます。
最初は「自分(オーナー)」、その次は妻、その次は子供、更にその次は孫というように何代にもわたって指定できます。

つまり、管理は頼れる人に任せて、利益は自分が意図した人に渡せるようになります。

このようなことは、信託を使わないと不可能でした。

なぜこのような法律が作られたのか?

平成19年に信託法が改正され、一般の人でも信託が利用できるようになりました。

それまでは、信託銀行でないと信託は利用ができませんでした。

小泉内閣(H13~H18)の規制緩和の産物です。
小泉元首相が首相を辞めるとき、こんなにもすばらしい置き土産をしていたのですね。

家族信託を知らない専門家もいます

このページの運営者は、税理士や弁護士、司法書士など法律の専門家に対しても家族信託について研修会の講師をさせていただいております。

その経験から言えることは、まだまだ家族信託や民事信託の使い方がわかる専門家は少ないと言うことです。

自分の財産を次の世代に渡すことをそろそろ考え始めたとき、あなたが相談した専門家は家族信託のことも説明したでしょうか?

遺言については全ての専門家が提案するでしょう。

しかし家族信託について何ら説明がなかったとすると、あなたは重大な方法を知らないまま(提案されないまま)手続きをすることになります。

家族信託を知らない専門家には「ムリだ」と説明されることが、私からしたら「それは簡単です」と言うことはよくあります。

自分の財産を次の世代に渡すことを考えるとき、家族信託はとても貴重な解決策になり得ます。

家族信託が提案されないまま、従来型の不完全な形での相続対策を受ける方がいなくなるように、現在は、専門家の育成にも力を注いでおります。

ですから、財産についての相談で家族信託が提案されなかったら、「家族信託を使ったらどうなりますか?」と聞いてみてください。

そのときの対応で、相談した先が家族信託を使えるかどうかがわかると思います。

相続対策や認知症対策は、家族信託も選択肢の一つとして検討してください。

そうでないと、とても重要な解決策を使わないまま、手続きを進めることになるかもしれません。



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